崖崩れなど、土砂災害現場における救助活動支援
わが国では、平均して年間約50人の方が崖崩れや斜面災害で亡くなっており、主要な自然災害の一つとなっています。崖崩れなどの被災地周辺で救助活動にあたる場合、最も注意しなければならないのは、二次災害の防止です。このために現在行われているのは、主に人の目による斜面の監視ですが、この方法では、とくに夜間は見える範囲が限られたり、長時間監視していると注意力が落ちて、ゆっくりした変化を感じにくくなったりするなどの問題があります。
そこでわたしたちは、目視に代わる監視手段として、レーザースキャナを使って斜面の変化を遠隔から感知する手法を開発しています。これにより、広範囲にわたって崖の異常を安全な場所から迅速に監視できるようになります。これまでの研究により、崖のどこに異常(変形)があり、その変形が進んでいるかどうか知ることができるようになりました。現在は、検知された変形状況から、いつ頃崖崩れが発生しそうか予測する方法について研究を進めています。このほか、土砂災害時の救助活動の事例を集め、行方不明者がいそうな場所を推定する方法について研究する計画です。