質問

木材チップ、揚げ玉、堆肥などを大量に積んでいると危険だといいますが、それは何故ですか。どのような事故事例があるのでしょうか?

回答

木材チップ、天ぷらの揚げ玉、RDF、自動車シュレッダーダスト、肉骨粉等は、徐々に化学反応を起こし発熱しています。その反応は、空気による酸化、雨水や空気中の水分との反応、生物発酵等さまざまです。このような反応による発熱は、微小で、通常は無視できる場合が多く、火災になることは余りありません。例えば、農家で堆肥を一時的に保管している場合、堆肥に触れると温かいのですが、それが更に高温になって燃え出すことはまずありません。

しかし、これらが大量にあった場合や保管期間、条件によっては、なかなか放熱が進まず、内部で温度が徐々に上昇することがあります。温度が上昇すると、反応は促進され、更に温度が上がり、あるいは、別な反応(一般には、空気による酸化反応)を引き起こします。その結果、火災に至る場合があります。農家では、経験的にこれらのことを知っているため、積み上げ高さを制限し、また、長期間保管しないといった工夫をして火災の防止に努めているようです。最近のリサイクル事業等によって大量に木材チップ、肉骨粉やRDFを保管する場合、事業者にこれらの知識が十分に無いため、結果的に火災を起こした例が見られます。例えば、平成15年に起きた佐倉市内の木材チップの不法貯蔵施設の火災では、消火とその後の監視活動で地元の消防の方は、大変な苦労をされたと聞いております。