研究成果を基に実用化したロボット。可燃性ガス、有毒ガス等を検出して危険を知らせる。原子力施設における事故やテロによる災害などでは、消防活動を行う消防隊員自身が危険にさらされることになります。このような危険な状況のなかで、ロボットは消防隊員の代わりを務めることでその威力を発揮します。わたしたちは、消防隊員の安全を確保し、負担を軽減するために、消防活動支援ロボットシステムを開発しています。これまでに、はしご車では届かない高層ビルを自ら登ることのできる昇降ロボットや、JCO臨界事故のような原子力関連施設における事故発生時に、避難できない人を被ばくから守る防護壁ロボットなどを開発してきました。

現在は、カルガモの親子のように消防隊員に追従して移動し、移動した経路を記憶することができるロボットを開発しています。このロボット一台一台は小さなロボットですが、複数台のロボットが力を合わせて、消防隊員が救助した人を自動的に安全な場所まで搬送することができます。また資材搬送や撤収時の先導などにもその威力を発揮します。

使用するロボットのベースは、わたしたちがこれまでに開発した「FRIGO」シリーズです。「FRIGO」シリーズには、研究用の拡張性を重視した「FRIGO-R」と、実用機への応用性を重視した「FRIGO-D」があります。「FRIGO-D」については、実用化を進めるために、防水・防塵・防爆・耐衝撃性の向上を図る計画です。また、各消防本部と連携しながら、実践配備へ向けた検討も行っています。


防護壁ロボットのコンセプト


リーダーロボットのみの操縦ですべての動作を実現


要救助者搬送ロボットのイメージ