消防隊員の地下鉄サリン事件における被災や、JCO核燃料加工施設での臨界事故による放射線被ばく、三重県のゴミ固形化燃料(RDF)施設火災での殉職など、「特殊災害」で消防隊員が犠牲になっています。消防隊員は、前例や経験のない未知の火災や災害にも迅速に駆けつけ、災害の拡大防止・火災の早期鎮圧・救助に努めなければなりません。特殊災害による被害を減らすためには、消防隊員自身の被災を防ぎ、効果的な消防活動を可能にする技術を開発することが不可欠です。わたしたちは、特殊災害が発生した際、消防活動を始める前に災害状況を把握するための手法を開発したり、高度な消火技術を確立したりするための研究を行っています。また、消防隊員の安全を確保し負担を軽減できるよう、消防活動支援ロボットや救助資機材の開発も進めています。