燃焼実験データベースの構築
火災の進展を予測するシミュレータが実際の火災を精度よく再現するためには、燃えている物の燃焼が進展する状況や、煙・有毒ガスなど燃焼生成物の排出量の時間変化を知ることが不可欠です。しかし、燃焼現象は極めて複雑な化学反応と物理過程によるものであるため、火災の進展を理論的に導き出すことは現在の科学技術では不可能です。
そこでわたしたちは、実験結果にもとづいて、火災拡大に最も寄与する材料の発熱速度や、消防活動・避難の妨げとなる煙や有毒ガスについてのデータを集めた「燃焼実験データベース」を構築し、火災シミュレーションに利用しようと考えています。このデータベースの構築には、過去に実施された各種材料の実験データを活用していますが、不足する部分については、新たに小規模実験や実規模実験を行ってデータを取得しています。
