ヒドロキシルアミンについて近年、化学工業、石油工業、廃棄物産業における火災や事故が多発しています。わたしたちは、その原因調査と発災物質の危険性評価を行っています。たとえば、わたしたちの実験結果から、半導体の洗浄や医薬品・農薬の合成に使われている化学物質のヒドロキルアミンが、ダイナマイトに匹敵する爆発力を持っており、鉄など金属イオンが存在すると不安定になって急激な爆発を起こし得ることがわかりました。これらの成果は、2001年の消防法の改正につながり、ヒドロキシルアミンを貯蔵する施設には、設置場所や構造、資格を持った管理責任者の配置、防火壁設置などの規制がかけられることになりました。

危険物の危険性評価の分野においては、国際的な協調が不可欠です。わたしたちは、国内外の大学、研究機関などと積極的に共同研究を行っており、その一環として「ラウンドロビン試験」に参画しています。これは、世界の多数の研究機関が同一の試験方法、同一の試料で、物質の危険性評価に関する試験を行うことにより、その試験方法の普遍性を評価するものです。


ヒドロキシルアミン水溶液の燃焼実験結果