平成29年度に、静岡市消防局と四日市市消防本部おいて、各単体ロボット試作機の試験評価をそれぞれ2箇月間実施しました。試験評価の結果を基に基礎技術の高精度化、信頼性を高める、等の実用性を高める改良を実施し、実戦配備型消防ロボットシステムを平成30年度末に完成させました(第1-3図)。


第1-3図 実戦配備型消防ロボットシステム

第1-3図 実戦配備型消防ロボットシステム


  実戦配備型では、指令システムを研究開発し、また、実戦で活用するために搬送車輌を製作しました。

  • 指令システム:各ロボットの自律移動経路を提案し、動作開始の指令を出し、動作状況をモニターします。また、偵察・監視ロボットの放水監視画像情報を解析し、放水砲ロボットに目標位置へ放水を届かせるための放水砲の角度を指令します。各ロボットが取得した画像等の情報をシステム全体で共有し、指令を出します。
  • 搬送車輌:各ロボットと指令システムを稼働させるための電源装置等を装備し、消防ロボットシステムを積載し、現場へ搬送します。現場に到着し、ロボットを搬出した後は、コンテナ内の指令システムを稼働させ、消防ロボットシステムの中心となります。

  消防ロボットシステムが機能するためには、石油タンクの高さや直径等の施設の諸元、石油コンビナートの詳細な地図が必要になります。また、ロボットが自律走行するためには専用地図を作成する必要があります。そこで、令和元年度からの実証配備を見据え、市原市消防局管内の大規模石油コンビナートについて自律走行用地図の作成等を行いました(第1-4図)。


第1-4図 作成した石油コンビナートのロボットの自律走行用の地図の一例

第1-4図 作成した石油コンビナートのロボットの自律走行用の地図の一例



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