調査場所

(1)岩手県 下閉伊郡山田町
(2)宮城県 石巻市
(3)宮城県 名取市
(4)宮城県 気仙沼市

※注意:延焼面積や出火原因等は最終的な結果ではない。

(1)岩手県下閉伊郡山田町の火災

山田町での主な火災は7件(焼損面積は未確定)

  • 市街地広域火災 2件(町役場前 約6ha/陸中山田駅付近 約10ha)
  • 船越地区の火災(延焼範囲1ha以下) 3件(林野への延焼あり)
  • その他の火災 2件

状況

  • ガレキで消防車両が火災現場に近づけない。
  • 市街地火災から林野火災へと広がった。(証言)
  • 焼け止まる可能性の高い道路に、避難のために乗り捨てた駐車車両があり、
    車両を媒体に延焼してしまった。
  • 津波により倒壊した建物が押し寄せた直後に出火しているという目撃情報がある。
    出火原因は何か。
  • 防火水槽が5分くらいで空になった。

写真A:町役場から見た広域街区火災跡
写真A:町役場から見た広域街区火災跡
写真B:街区から林野へ延焼した状況(船越地区)
写真B:街区から林野へ延焼した状況(船越地区)
写真C:道路上の焼損跡の状況
写真C:道路上の焼損跡の状況

(2)宮城県石巻市の火災

消防本部管内で20件の火災

  • 広域街区火災 門脇町 約4ha(東西約900m)
  • 延焼火災 蛇田駅東側 住宅5棟と車両)

状況

  • 門脇小学校の校庭に避難者の車両があった。津波が押し寄せ、車両が流され始めた。その後車両から出火し、さらに流された燃えた車両が延焼媒体となったのを目撃した人がいる。
  • 広域街区火災では、数か所で出火しているのを目撃している人がいる。
  • 門脇町の北側は崖になっていたため、ガレキが集まっていた。消防隊は崖の上への延焼阻止活動を実施。
  • 焼け跡には、車両、ボンベが多数確認できた。
  • ガレキで消防車両が火災現場に近づけない。
  • 津波に流された車両からの出火を目撃する人が多い。
  • 電力が回復した時に、津波に浸水した積算電力計から出火した事案が3件あった。

門脇町広域街区火災

写真D:門脇町北側崖部分の状況
写真D:門脇町北側崖部分の状況
写真E:門脇小学校校舎1階付近の状況
写真E:門脇小学校校舎1階付近の状況
写真F:門脇小学校校舎と校庭の状況
写真F:門脇小学校校舎と校庭の状況

蛇田駅東側の住宅等火災

写真G:建物火災の状況
写真G:建物火災の状況
写真H:焼損建物隣の車両の状況
写真H:焼損建物隣の車両の状況

(3)宮城県名取市の火災

街区火災 閖上(ゆりあげ)7丁目 約1ha
延焼火災 平田橋付近 川沿いに約150m

状況

  • 平田橋付近の火災跡は、燃えたものが津波で流されて来てこの場所に溜まり火災を継続したと思われる(ニュース映像等で確認)。
  • 焼損した車両、ボンベが多く見つけられる。
  • ガレキ、水没で消防車両が火災現場に近づけない。
  • 燃えながら津波に流されたガレキが溜まり、火災現場となった(ネット上にニュース映像あり) 。
  • プロパンと思われるボンベが津波で流され、内容物を噴霧していた(ネット上に映像あり)。

閖上7丁目火災

写真I:閖上火災跡の北西面の状況
写真I:閖上火災跡の北西面の状況
写真J:火災には逢わなかった老人ホームうらやす
写真J:火災には逢わなかった老人ホームうらやす
写真K:閖上火災跡の道路による焼け止まりの状況
写真K:閖上火災跡の道路による焼け止まりの状況

平田橋付近火災

写真L:平田橋付近の焼損車両の状況
写真L:平田橋付近の焼損車両の状況
写真M:平田橋付近の建物火災の状況
写真M:平田橋付近の建物火災の状況
写真N:10号線から100m以上北の状況
写真N:10号線から100m以上北の状況

(4)宮城県気仙沼市の火災

大島を含む気仙沼での主な火災は13件

  • 広域街区火災
    • 鹿折(ししおり)地区 約10ha
    • 小々汐(こごしお)地区 約10棟
  • 南気仙沼駅付近 約1ha
  • 林野火災
    • 大島 約100ha
    • 大浦地区 約75ha

状況

  • 湾の東側の海岸に多くの燃えたガレキが打ち上げられていた。
  • 流され壊れたタンクが多い。
  • 船舶が打ち上げられている。
  • ボンベ、ドラム缶の焼けたものが多く見つけられる。
  • ガレキ、水没で消防車両が火災現場に近づけない。
  • 証言:岸壁に打ち上げられた船が燃え、津波で破壊されたガレキ、林野へと延焼。
  • 証言:海面上でガレキが燃えていた。炎が波で移動していた。
  • 電力が復旧した時、津波で浸水した積算電力計から出火した事案が1件。

重油・灯油・ガソリンなどを貯蔵するタンクが津波を受け、タンク本体が流された。流されたタンクは底部や側板などが破壊されて開口し、危険物が流出した。流出した危険物が、市街地に押し寄せ市街地での出火や燃え拡がりに影響を与えたのかどうかについては、現場調査では、まだ確かな情報は得られていない。

写O: 鹿折の歩道橋から見た焼損街区
写真O: 鹿折の歩道橋から見た焼損街区
写真P: 鹿折地区火災線路上の焼損状況
写真P: 鹿折地区火災線路上の焼損状況
写真Q: 小々汐海岸の延焼状
写真Q: 小々汐海岸の延焼状