火のキャラクター「ケアレス」

毎年、暖房器具が原因の火災により死者が多数発生しています。
平成29年版 消防白書 「住宅火災の発火源別死者数」 (p.72:第 1-1-11 図) [PDF]
石油ストーブや電気ストーブなど、火を使用する器具や火災の発生のおそれのある器具(以下「火気器具等」という)の取扱いは、消防法第9条の規定に基づき市町村条例によって規制されています。
火気器具等を適切に取り扱い、火災を予防しましょう。

規制の対象となる火気器具等

暖房器具などの使用状況は地方の気候や風土によって大きく異なるため、規制の対象となる火気器具等は、市町村条例によって自治体ごとに独自に定められています。これらのうち、規制内容の統一を図ることが望ましいと考えられる火気器具等については、消防法施行令第5条の2の規定により、「対象火気器具等」として全国統一的な基準が示されています。

対象火気設備等の位置、構造及び管理並びに対象火気器具等の取扱いに関する条例の制定に関する基準を定める省令(平成14年総務省令第24号。以下「対象火気省令」という)第18条は、火気器具等のうち、以下の4種に分類したものを対象火気器具等としています。

(1) 気体燃料を使用する器具
(2) 液体燃料を使用する器具
(3) 固体燃料を使用する器具
(4) 電気を熱源とする器具

市町村条例は自治体ごとに異なりますので、詳細はお住まいの市町村の条例をご確認ください。

火災の予防のために必要な事項

消防法施行令第5条の2第1項は、対象火気器具等の取扱いに関し、以下の6項目を火災の予防のために必要な事項としています。

(1) 建築物等および可燃物との間に、火災予防上安全な距離を保つこと。

(2) 振動や衝撃により容易に可燃物が落下または接触するおそれがなく、可燃性の蒸気やガスが滞留するおそれのない場所で使用すること。

(3) 振動や衝撃により容易に転倒または落下するおそれのない状態で使用すること。

(4) 屋内で使用する場合は、不燃性の床、台等の上で使用すること。

(5) 周囲の整理および清掃に努めるなど、適切な管理を行うこと。

(6) 多数の人が集まる催しで使用する場合は、消火器の準備をした上で使用すること。

これらの事項に加え、対象火気器具等の種類、使用燃料等ごとに、個別の事項が定められています。
市町村条例は自治体ごとに異なりますので、詳細はお住まいの市町村の条例をご確認ください。

※火災予防のために特に注意すべき点を、チラシや動画で具体的にお知らせしています。ご参考になさってください。
「住宅防火 いのちを守る 7つのポイント -3つの習慣・4つの対策-」[PDF]
映像資料「石油ストーブの給油時の火災危険」
映像資料「洗濯物を石油ストーブ上で乾かした場合の火災危険」
映像資料「灯油等の危険物による火災の実態 -燃焼機器火災を未然に防ぐ-」
映像資料「暖房器具火災の真実 -高齢者の生活実態を踏まえた火災検証実験-」
映像資料「未然に防ごう!電気器具火災 -身近に潜む火災危険-」
映像資料「こんろ火災の恐怖とその対処方法」
映像資料「地震火災から命を守るために」

火災予防上安全な距離とは?

対象火気省令第20条は、「火災予防上安全な距離」の基準として、対象火気器具等の種類や最大消費熱量などに応じた離隔距離(りかくきょり)を定めています。これらの離隔距離は、対象火気設備等(使用形態上、容易に移動できないもの)と併せて、火災予防条例(例)の別表第3にまとめられています。
消防予第456号(平成27年11月13日)[PDF 0.8MB]

また、対象火気設備等及び対象火気器具等の離隔距離に関する基準(平成14年3月6日消防庁告示第1号)は、対象火気器具等に近接する可燃物の表面の温度上昇などを測定し試験結果に基づき離隔距離を判定する方法を定めています。

市町村条例は自治体ごとに異なりますので、詳細はお住まいの市町村の条例をご確認ください。

※火災予防のために離隔距離を保つことが必要な理由をやさしく解説しています。ご参考になさってください。
キッズページ【 防火のきほん(1):距離(きょり)】

電気ストーブ火災を防ぐ

火災予防条例(例)の第21条は、電気を熱源とする器具の取扱いの基準として、上記6項目に加え、「通電した状態でみだりに放置しないこと」を規定しています。

電気ストーブは、燃料の補給などによって引火するおそれがなく、換気を行う必要もない上、小型・軽量で簡単に持ち運べるため、狭い場所で使用されることが多い便利な暖房器具です。しかし、「火を使わない」ことで、火災の危険性が認識されにくく、可燃物との距離が条例の定める離隔距離より短くなってしまう人が多いという調査結果(東京都生活文化局)が、東京消防庁より報告されています。

独立行政法人製品評価技術基盤機構も、通知された電気ストーブ火災の件数が多いことや、具体的な事故事例、事故を防ぐポイントなどを、報道発表しています。国外(米国)でも、2011年から2015年までの5年間に発生した暖房を原因とする住宅火災のうち、死者数が最も多かったのは電気ストーブ等の火災であり、可燃物に接近しすぎていたことが主要な原因だったとの報告があります。[1]

「火を使わない」電気ストーブでも、つけっ放しにしていると、近くにある可燃物に熱が伝わり続け、可燃物の温度が上がり続けて、発火温度に達したときに燃えはじめます。
キッズページ【 燃えるときに起こっていること:エネルギーの山を越(こ)える】

さらに電気を使う暖房器具は消費電力が大きいため、延長コードやテーブルタップ、コンセントなどの配線器具から出火する事故の情報が、独立行政法人製品評価技術基盤機構に多数通知されています。国際電気安全財団(Electrical Safety Foundation International)は、電気ストーブの電源プラグを、延長コードやテーブルタップに差し込まないよう警告しています。

◯寝る前や電気ストーブから離れる時は、必ず電源スイッチを切り、プラグを抜きましょう。

逃げ遅れを防ぐ

住宅火災による死者の発生状況を死に至った経過別に分類すると、「逃げ遅れ」が最も多くなっています。
平成29年版 消防白書 「住宅火災の死に至った経過別死者発生状況」 (p.73:第 1-1-14 図) [PDF]
万が一火気器具等から出火したときには、「逃げ遅れ」を防ぐことが最も重要になります。
火災に気づくのが遅れないように、すべての住宅に住宅用火災警報器を設置し維持することが、消防法第9条の2の規定によって義務づけられています。

※住宅用火災警報器に関する規制の詳細については、以下の関係法令と、お住まいの市町村の条例をご確認ください。
消防法施行令 第5条の6(住宅用防災機器)・第5条の7(住宅用防災機器の設置及び維持に関する条例の基準)
住宅用防災機器の設置及び維持に関する条例の制定に関する基準を定める省令(平成16年総務省令第138号)

※住宅用火災警報器の適正な設置と維持管理の方法を、具体的にお知らせしています。ご参考になさってください。
消防庁 住宅防火関係 パンフレット・映像資料等
消防庁 住宅防火関係 住宅用火災警報器Q&A

さらに東京都の火災予防条例の第18条~第21条は、火気器具等の取扱いの基準として、「避難上の障害とならない場所で使用すること」を規定しています。

◯火災の発見が遅れないように、住宅用火災警報器を適正に設置し維持管理しましょう。

◯火気器具等を使用する時は、逃げ道をふさがないようにしましょう。

やけどを防ぐ

子どもが暖房器具でやけどを負った事故の情報が、消費者庁に数多く寄せられています。また、住宅火災の経過別死者数で「逃げ遅れ」の次に多い「着衣着火」の事故情報が、国民生活センターにも多数寄せられています。

※着衣着火による事故防止のため、消防庁では防炎製品の使用を推奨しています。
消防庁 住宅防火関係 防炎品
※火災を初期に消火するために、消防庁では住宅用消火器等の設置を推奨しています。
消防庁 住宅防火関係 住宅用消火器

◯暖房器具の周囲には、子どもを近づけないようにしましょう。

◯着ている衣服に火がついてしまった時に、慌てず冷静に行動できるように、水をかぶる・地面に寝転がって消火するなどの対処法を、子どもと一緒に確認しておきましょう。

一酸化炭素中毒を防ぐ

経済産業省によれば、燃料を使用する火気器具等による死亡を含む一酸化炭素中毒事故が多発しています。また、東京消防庁によれば、燃料を使わない電気ストーブでも「ぼや」による一酸化炭素中毒で死者が発生しています。
「こんな時にCO(一酸化炭素)が発生します」(ガス警報器工業会)[PDF]

CO(一酸化炭素)警報器は、寝具などのくん焼(無炎燃焼)火災を、より早く感知できる場合があります。

一般住宅における初期火災時の燃焼特性に関する研究報告書-住宅火災による死者低減に役立つ感知特性を探る-:消防研究所研究資料 第72号 [PDF 4.1MB]

◯ガスや石油などの燃料を使用する時は、必ず換気をしましょう。(ただし、煙突式のガス機器を使用中に隣りで換気扇を回すと危険です。)

東京都 火災予防条例

http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/g1012311001.html
【外部リンク】アドレス確認日:2018年2月1日

東京都 生活文化局

http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/anzen/test/sutoobu_press.html
【外部リンク】アドレス確認日:2018年2月1日

東京消防庁 安全・安心情報 電気ストーブ等の火災に注意しましょう!

http://www.tfd.metro.tokyo.jp/hp-yobouka/topics/201610/e_stove/
【外部リンク】アドレス確認日:2018年2月1日

千葉市消防局 火災予防情報 ストップ、ドロップ&ロール!!(着衣着火の対処法)

https://www.city.chiba.jp/shobo/yobo/yobo/chakuichakka.html
【外部リンク】アドレス確認日:2018年2月1日

独立行政法人製品評価技術基盤機構 冬は火災が増加!安全に暖かく暮らすには?
~電気ストーブは正しく使いましょう~

http://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2017fy/prs171122.html
【外部リンク】アドレス確認日:2018年2月6日

独立行政法人製品評価技術基盤機構 冬場の安全な暮らしのために~延長コードやテーブルタップの正しい使い方~

http://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2017fy/prs180125.html
【外部リンク】アドレス確認日:2018年2月1日

一般社団法人日本ガス石油機器工業会 ガス機器・石油機器の正しい安全な使い方

http://www.jgka.or.jp/gasusekiyu_riyou/index.html 【外部リンク】アドレス確認日:2018年2月1日

Electrical Safety Foundation International(国際電気安全財団) ESFI Space Heater Virtual Demonstration

http://www.esfi.org/resource/esfi-space-heater-virtual-demonstration-147
【外部リンク】アドレス確認日:2018年2月1日

経済産業省 製品安全 消費者のみなさまへ さまざまな事故事例

http://www.meti.go.jp/product_safety/consumer/defend.html
【外部リンク】アドレス確認日:2018年2月1日

消費者庁 子どもの事故・危険

http://www.caa.go.jp/caution/child/ 【外部リンク】アドレス確認日:2018年2月1日

独立行政法人国民生活センター 危険!着衣着火に注意-未然防止には防炎製品が効果的-

http://www.kokusen.go.jp/test/data/s_test/n-20081204_1.html
【外部リンク】アドレス確認日:2018年2月1日

ガス警報器工業会 ガス警報器の基礎知識

http://www.gkk.gr.jp/user_knowledge.html 【外部リンク】アドレス確認日:2018年2月1日

参考文献

1) Richard Campbell: Home Fires Involving Heating Equipment, National Fire Protection Association, 2017

2) Tiffney A. Cates and James A. Milke: "Stop, Drop, and Roll" - The Technical Substantiation Behind Public Fire Safety Messaging, Fire Protection Research Foundation, 2006

3) 金子公平、佐藤良行、徳永敦司、飯田明彦、町井雄一郎、田沼宏志:ストップ、ドロップ アンド ロールに関する検証、東京消防庁消防技術安全所報 50号、pp.122-128, 2013